電子レンジ加熱対応「クイックデリ™」レトルトパウチ 新開発
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共同印刷株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:山口 政廣)は、このたび、未開封のまま電子レンジで安全に加熱できる包材 「クイックデリ™/レトルトパウチ」を開発しました。本製品は、電子レンジ加熱用包材「クイックデリ™」シリーズのひとつとして、レトルト食品向けに 開発したもので、従来のスタンディングパウチに蒸気抜き機能を付与し、さらに、強いシール強度と高い密封性を兼ね備えた包材です。
これまでの加熱調理食品用の袋(レトルトパウチ※など)は、そのまま電子レンジで加熱すると、大きな音をたてて破裂する危険性がありました。そのため、袋の一部に穴を開けるか、別の容器に移しかえて加熱する必要がありました。
今回当社が開発した、「クイックデリ™/レトルトパウチ」は、移しかえなどの事前準備が必要なく、商品をそのまま電子レンジで加熱できます。これは、当社が軟包材製造で培ってきた技術を基に生み出した新技術です。
本製品は、蒸気抜き機構に特徴があります。蒸気を抜くシール部に特殊な加工を施し、電子レンジ加熱時に発生する内圧を利用して、少しづつ開封を行なっていきます。このため、急激な開封による破裂音や内容物の噴出しが抑えられます。しかも、加熱時に適度な内圧を保つことができるため、水分の蒸発が抑えられ、 蒸らし効果によってうまみを逃がさず、おいしい仕上りが期待できます。
内容物となるレトルト食品は、加圧加熱殺菌処理(レトルト処理)を行ない、常温流通を可能にしたものです。このため、120℃で30分というレトルト処理中の加圧による破袋を防ぐため、高いシール強度が要求されます。本製品はレトルト処理後もJIS規格(23N※以上)を満たしており、流通時の密封性も高い水準で確保できます。商品の加圧加熱殺菌履歴が取れるというレトルト食品の特性を生かし、消費者へより安全な食品を提供することができます。
現在、「スタンディングパウチ」「四方変形パウチ」「四方シールパウチ」の三形態をご用意しています。とりわけスタンディングパウチは、液体食品などに最適で、均一かつ効率的な加熱が行えます。
- ※ レトルトパウチ‥常温で流通できるように行なわれるレトルト処理(加圧加熱殺菌)に耐え、密封できる気密性の袋(パウチ)
- ※ 23N(ニュートン)=2.35Kgf ヒートシール部を15mm幅で展開しながら引張ったときの強度
共同印刷 「クイックデリ™/レトルトパウチ」
特徴 | 誰でも「簡単・安全・おいしい」 |
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性能 |
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形状 | 現在3種類をご用意(使用方法による選択が可能) 「スタンディングパウチ」「四方変形パウチ」「四方シールパウチ」 特にスタンディングパウチは、電波効率がよいため、加熱ムラがなく時間も短縮 |
特許 | 関連特許出願中 |
当社が開発した電子レンジ加熱用パウチ(「クイックデリ™」シリーズ)には、「ボイル食品専用」「冷凍食品専用」などのバリエーションがあり、メーカー様のさまざまな要望に応えることができます。今後は「クイックデリ™/レトルトパウチ」を中心に、これらをシリーズ化して拡販を進めてまいります。一般食品はもちろん、「医療用検査食」などの用途に も積極的に取組み、初年度20億円の売上を目指します。
以上