複製画の新技法「彩美版 IWA-E」を開発 2月末 新製品の販売を開始

  • 研究開発

 共同印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:稲木歳明)は、このたび、複製画の新技法「彩美版 IWA-E」1※1を開発しました。「彩美版IWA―E」は、複数の印刷技法と特殊加工技術によって、日本画特有の画材、岩絵具※2の質感と、金色などの輝きの色再現性を大きく向上させています。

 「彩美版IWA-E」では、岩絵具にも使用されている方解石や貝殻の粉末を含有する特殊インクの開発と、印刷に適したインク受容層を形成する特殊な加工技術の確立によって、原画のもつ質感や風合いを忠実に再現することに成功しました。また、発色に優れた高精細のインクジェット印刷を採用したことで、色彩の表現も大きく向上しました。(特許出願中)

 これまで当社は、独自開発した「岩絵具方式」によって岩絵具の表現に取り組んで参りました。岩絵具方式は、高級美術印刷をした紙上に特殊加工を施すことで、岩絵具や胡粉(ごふん)などのザラザラとした質感や感触を再現する技法です。

 一方、新技法「彩美版IWA-E」では、岩絵具の質感を再現するために、岩絵具と同じ材料を用いています。これにより、従来以上に日本画らしい質感の再現と、優れた発色を両立させています。また、シルクスクリーンや手彩色を加えることで、金、銀色等、表現の幅も大きく広がります。

絵画:上村松篁筆「春輝」

上村松篁筆「春輝」

小売価格:189,000円(税込)

 「彩美版IWA-E」第一弾として、上村松篁(うえむらしょうこう)画伯の「春輝(しゅんき)」(原画所蔵:財団法人 松伯美術館)を、2月末に発売いたします。

 今後は、「彩美版IWA-E」の質感や輝きを生かした新商品の開発・販売に努めるとともに、より再現性の高い技術開発に取り組んでまいります。

※1 「彩美版」について商標出願中。

※2 岩絵具:日本画に使われる伝統の画材で、厚盛りが可能です。貝殻や岩石などの鉱物を砕いて細かな粉にしたものを、膠(にかわ)と水で溶いて使います。
     例えば群青の原料には藍銅鉱、緑青には孔雀石が使われており、彩美版IWA-Eに使われる方解石や貝殻の粉末は、白色の絵具として利用されています。

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