共同印刷株式会社（本社：東京都文京区、代表取締役社長：稲木 歳明）は、このたび、水分を使わずに酸化を防ぐ酸素吸収フィルム「オキシキャッチ^®」を開発しました。

　明日6月30日から開催される「第23回 インターフェックス ジャパン「包装機械・包装資材EXPO）」（東京ビッグサイト）と「PV Japan 2010」（パシフィコ横浜）へ本製品を初出展いたします。

目視で酸素吸収状況を確認できます（吸収前）

目視で酸素吸収状況を確認できます（吸収後）

　当社は、湿気とガス成分を吸う高機能フィルム「モイストキャッチ^®」を2004年に開発しました。高機能材料としてさまざまな市場へむけて展開を進めるなか、医薬・電子部品分野では、湿度やアウトガス対策のほかに"酸素を吸収できる"材料への高いニーズがあることがわかりました。

　従来の脱酸素剤は、鉄粉を用いて水分との化学反応により酸化防止を図ります。しかし、医薬・電子部品などでは水分（湿度）が製品劣化や成分変化を招くため、従来品が適用できないものがありました。

　そこで当社は、"水"を使わずに酸化を防止できる高機能材料の開発をめざし、研究を開始しました。その結果、脱酸素剤（酸素吸収剤）を樹脂に高密度に含有させる加工技術を確立し、酸素吸収フィルム「オキシキャッチ^®」として製品化に成功しました。

　本開発品は、従来の鉄粉タイプと同等の酸素吸収効果を確保していることに加え、吸収の経過で生じる色相変化によって、酸素吸収状況を目視で判断することも可能です。また、鉄粉を使用していないため、製品管理などに金属探知機を使用できます。

　今後は、包装材そのものに酸素吸収機能を持たせたアクティブパッケージや機能材として、酸素影響を受けやすい医薬・電子部品分野を主体にサンプル出荷を進め、量産へ向けた生産体制の構築を守谷工場で開始します。さらに、水分を使わずに酸化を防止できるという特長を生かし、これまで脱酸素剤を使用できなかった分野も視野に入れ、本開発品「オキシキャッチ^®」のニーズや課題を抽出しながら、新たな製品開発にも注力いたします。

■酸素吸収フィルム「オキシキャッチ^®」の特徴

1. 酸化セリウム系脱酸素剤を高密度に含有したフィルム
2. 酸素吸収に水分は必要ありません
3. 厚生省告示370号の試験適合（安全衛生証明）
4. 酸素吸収の経過状況が色相変化で目視可能
5. 金属探知機の使用が可能（積層構成にアルミ不使用の場合）
6. 用途に合わせ積層構成のカスタマイズが可能