Special2

EPISODE 01

チームで新しい
サービスをつくる

Travel Manager™開発プロジェクト

手塚 美貴

トータルソリューションオフィス

手塚 美貴

2009年入社
生活科学部 生活環境学科

手塚美貴は、身近な暮らしを支えている印刷業界に興味を持ち共同印刷に入社した。「特に、包装事業部がお菓子や食品のパッケージの企画から制作、製造まで手掛けている点に惹かれました。パッケージは『食品を包む』という機能だけでなく、パッケージの印象で購買意欲を高める役割も担っている。仕事で関わることができたらきっと面白いだろうなと思ったのがきっかけです」
 配属先はプロモーションメディア事業部。クライアントは化粧品や健康食品の会社で、商品の販促に関わる定期情報誌(商品カタログ)やパンフレット、DM、ポスターなどの制作を担当した。仕様やデザインの提案、見積もり作成、スケジュール作成、製造進行管理、印刷物の色調確認など、営業として多岐にわたる業務を経験した。
「メーカーの販促施策が世の中に出るまでにはさまざまな準備があります。販促における考え方、狙い、スケジュール管理なども学びました。メーカーの事情や課題も共有させていただける貴重な経験でした」。手塚はそこで6年間働き、ビジネスの基礎を学ぶ。その上で、新たな事業領域を開発する現在の仕事に就いた。開発したものの一つが、ホテルでのスピーディーなチェックインと、キーレスホテルを実現するシステム「Travel Manager™」だ。

ホテルが顔パスになる

顔パス。それはかつて、特別な人にだけ与えられるおもてなしだった。しかし、顔認証技術によって、これからのホテルでは当たり前のものになる。「Travel Manager™」を導入すると、宿泊者は客室前のタブレットで自分の顔を登録し、顔認証で入室できる。まさに顔パスだ。チェックインはタブレットで行えるため手間いらずで、フロントの行列はなくなる。宿泊客はストレスフリーで、スタッフの業務も大きく省力化される。良いことづくめである。
「顔認証」自体は、すでにスマホや空港の入国審査などで利用されている。カメラに顔をかざせば本人確認ができるため、その利用分野はセキュリティにとどまらない。ホテル利用なども含め、国内外で今後数倍に拡大すると予想されている有望市場だ。
この金の卵ともいえる新市場に共同印刷も取り組んでいる。ソリューションを創り、提供するのが、トータルソリューションオフィス ソリューション開発部のプロジェクトチーム。手塚はその一員だ。

chapter1

ホテル顔認証システムの開発

プロジェクトチームが動き出す

2017年の初め、事業領域の拡大に取り組む部門からこんな提案があった。「画像認識技術を使ったシステムをホテル向けの汎用サービスとして作れないか」。手塚は早速検討し、システムの企画や大まかなフローをまとめる。システム開発は馴染みのメンバーに協力を要請した。そうして1年半にわたるプロジェクトがスタートする。
メンバーは営業部門やシステム部門から集まった6名。手塚の役割は、全体の企画プランニングと進行だ。2019年2月に汎用サービスとして販売開始というスケジュールを立て、開発が始まった。
「社内の関連部門との打ち合わせや調整にあたっては、各担当者とコミュニケーションを図り、関係性を構築しながら推進していきました」。

chapter2

進む開発

週一回の定例会を開催し、システムの全体概要とフロー、仕様詳細を固めた。システム開発に着手してからは、外部の開発会社とも連携しながらの作業だ。毎日メールが飛び交い、定例会では時間が足りずに頻繁に打ち合わせを行った。システム内容のチェックと検証を繰り返す日々。開発と同時進行でホテル関係者へのプレ営業活動を行い、そこで受けた要望なども加味しながら企画をブラッシュアップしていく。その結果、2018年12月にオープンするホテルに、サービスの一部機能を導入することが決定した。
 2019年2月に販売開始というスケジュールに先行しての採用決定。これでシステム開発はさらに忙しくなる。時間がない。しかし、プロジェクトメンバーは時間を惜しまずに導入手順や検証方法、機材の取り扱いなどの項目を一つひとつ確認し、解決していった。

組織を動かす

このプロジェクトで最も難しかったことは、想定よりも短い期間でプロジェクトを進行する必要が生じたことだった。開発もさることながら、関連する部門と連携しながら短期間で手続きを進めることは簡単ではなかった。
「開発着手には予算化申請と承認、発注部門への申請、経理部門の承認など、多くの手続きが必要です。しかし、今回は開発費用の算出後、通常よりも短期間で全ての承認を得なければ納期に間に合わない状況でした。」
手塚は、関連部門への直接説明や協力要請を重ね、スピーディーに開発着手できるように奔走した。手塚は、組織を動かすには関係各部との連携、事前準備の必要性を熟知していた。6年間の営業経験が生きたのだ。その甲斐あって関連部門の担当者と上司も快く協力してくれた。
いよいよプロジェクトはゴールに向かって進むのみ。現地での設定作業や検証、導入作業も無事に完了し、2018年12月、予定通りホテルへの先行導入が行われた。

挑戦の成果

一人でできないことをみんなで成し遂げる喜び

「このプロジェクトには、一人ではなくチームで何かを成し遂げる楽しさがあった」と手塚は言う。開発は、システム部門をはじめ、多くの部門と人に協力してもらわなければできなかった。日頃からコミュニケーションを図り、信頼関係を構築することが重要だと改めて気づかされた。 「感謝の気持ちを忘れない。お願いするばかりではなく、逆に相談や依頼には全力を尽くして対応する。当たり前のことですが、そういう心がけがプロジェクトを成功に導くためには必要だと思います」 手塚は、このプロジェクトを終えた今、この2年が入社してから最も充実していたと振り返った。

意義のある仕事

昨今訪日外国人が急増している。そこで懸念されているのが、ホテル不足の問題だ。外国人を含め1000万人もの観光客が押し寄せると予想されている東京五輪・パラリンピックに向け、都市部を中心にホテル建設ラッシュの様相を呈している。ホテル業界にとって、人件費を省力化できる顔認証技術によるシステムは注目の的だ。
「2022年度までに100棟への導入をめざしています。全機能を搭載したシステムは2019年2月から正式販売となるため、導入の引き合いを獲得して、売り上げと利益の拡大につなげたいと考えています」
しかし、売り上げ以上に、このプロジェクトには意義があると手塚は言う。「ホテルの業務は人手がかかりますが、このシステムを導入いただければ効率化が可能です。しかも、利用者の利便性向上だけでなく、お客さまに新しい体験価値を提供できる。これからの世の中にとって価値があるものにきっとなる。新サービスとして社会に貢献できます。これはとても素敵なことです」
共同印刷には、輝かしい未来が待っている扉がある。
一人では開かない扉を、チームで開けていく力がある。

chapter3

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