20技術開発本部は、蓄熱繊維用の高機能ペレットを開発しました。特殊印刷技術に採用してきた高機能材料を、異業種である服の繊維素材に応用し、「薄く・軽く・暖かい服」というこれまでにない価値をもつ製品として事業化を実現しました。新素材の研究開発と実用化とともに、生地設計やマーチャンダイジングまで手掛けることで、新たな価値を提供していきます。目視では分からないが赤外線カメラで見ると赤外線吸収インクで印刷したデザインが確認できる。いきました。その中の一つが赤外線吸収材料です。これは、赤外線を吸収するインクで印刷することで、赤外線カメラでのみ印刷が確認できるもので、容易に真贋判定ができる偽造防止印刷技術です。これらの技術を蓄積し、用途転換したものが今回の新素材事業につながっていきます。目視赤外線吸収インクで印字した箇所理念/目次トップメッセージ価値創造赤外線カメラでの判定始まりは偽造防止印刷 印刷市場が9兆円というピークを迎え、右肩上がりを続けていた1990年初頭、カラーコピー機の普及などによって、紙幣や金券、乗車券などの偽造が急増し、深刻な社会問題となっていました。 技術開発本部では特殊印刷技術の開発、中でも偽造防止印刷の分野でノウハウを蓄積していたこともあり、鉄道会社からの依頼を受けて、偽造されない切符の印刷をターゲットに研究に取り組んでいました。 研究内容は主に色相・波長・光輝性といった光に関連する材料。例えば、特殊な光輝性を有するパール材料や、カラーコピー機で複写すると大幅に変色するインクや用紙などを開発し、顧客に提案。これらの新しい偽造防止技術が高く評価され、全国の乗車券に採用されていくことになります。 その後も偽造防止技術の開発を進めていく中で、光に関する機能性材料を集中的に学び、さまざまな新しい材料を手に入れて、新たな研究を進めて特集築いてきた知見とソーシャルイノベーションの発想から生まれた「赤外線吸収素材」で新機軸の“着る”を実現。新たな価値の創造
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