)mn/20250mc/wμ度(照射放● 太陽光線中に大量に含まれる近赤外線1「暖まる服」20015010050500750100012501500波長(nm)1750製品サンプル(提供:瀧定名古屋株式会社)20002250250021 最初に着目したのが、近赤外線を吸収し発熱する機能を使った暖かい服の提供というアイデアでした。すでに、近赤外線を利用した暖かい生地は市場に出回っていましたが、調査の結果、太陽光で「体感可能」なレベルの発熱を証明できる製品は、まだ市場に存在していないことがわかりました。そこで、誰にでも気軽に利用できる「薄く・軽く・暖かい服」の提供をターゲットとして、その元となる発熱する素材の開発に着手しました。 もともと、異素材の混錬技術は、連綿と蓄積してきた技術があり、近赤外線吸収材料をペレット化した材料の開発に成功。試作した服を着用し、太陽光による発熱機能を実測しました。検証の結果、表面温度が10℃以上も上昇するという従来にない発熱効果が立証され、「薄く・軽く・暖かい服」への目途が立ちました。また、これまでの近赤外線吸収材料は黒色顔料などで生地の色調に限界がありましたが、当グループの開発した繊維向け素材は、ニーズに合わせてさまざまなカラーバリエーションを展開できる優位性も備えています。 一方で、発熱する繊維向けの材料は完成しましたが、繊維業界やアパレルメーカーに採用されなければ「薄く・軽く・中期経営計画財務戦略サステナビリティ紫外線可視光線太陽さえ出ていれば大量に私たちに降り注いでいます。この膨大な自然エネルギーの恩恵を活用できれば、さまざまな社会課題を解決することにつなげられると考えていました。暖かい服」を実現することはできません。残念ながら当グループは繊維・アパレル業界に全く知名度がなく、売り込みをするコネクションも持っていませんでした。そこで、この素材の企画を持ち込むにあたっては、素材の持つ他にはない高い特性や競争優位性、ターゲットとするマーケットを明確に示すことに注力しました。同時に、業界に精通したエージェントをパートナーとして、当グループに不足する知名度や業界との関係性などをカバーし、新規顧客の開拓を進めるうちに複数の企業が興味を示してくれるようになりました。その後はスポーツアパレル分野を皮切りに、紳士服の分野でもビジネスパーソン向けのウェアやマフラーなどのアイテムの企画が通って新製品が発売されるなど、その機能性が評価され、現在、20社以上に採用されるまでに成長しています。ガバナンス近赤外線10分間の太陽光照射試験において、近赤外線吸収ペレットを用いた衣類は、不使用のものに比べ表面温度が10℃以上も上昇した。データ集近赤外線42%● 近赤外線吸収ペレット(繊維・生地用途)発熱効果事業戦略紫外線 6%可視光線52%Applicationふんだんに降り注ぐ赤外線を活かす用途開発 偽造防止技術の開発のかたわら、それまで蓄積してきた光の知見を活用して既存の印刷領域以外の新たな製品の開発を模索していました。太陽光線の約42%を占める近赤外線は、
元のページ ../index.html#23