51非常に重要になります。その観点でも、より具体的な長期ビジョンを描くことは不可欠になってくるでしょう。光定:人材戦略については課題意識を持って取り組んでいる事は感じています。以前の当社の人事評価システムは非常に細かく階層が分かれている上に、年功的な要素も強く、評価の公平性がわかりにくい構造でしたが、現在は階層を集約してシンプルな構造にしています。また、優秀な人は囲い込まれ、一つの部署にずっといるという属人的な組織構造がありましたが、一部署に最長5年までといったルールもできました。そうすることで、20代のうちからさまざまなキャリアを経験することで、成長が速まるのではないかと期待しています。内藤:ビジネスコンテストについて、とても良い取り組みが始まったと思っています。今後は、社内の人と私たち社外取締役という限られた視点だけで選考するのではなく、ぜひ、外部の人にも加わってもらいたいですね。自社にない、新たな視点や髙岡:私は、共同印刷の一番の強みは技術力にあると思っています。最近は、世の中の大きな流れとしてマーケティングやBtoCといった方向に将来性があるとされていますが、共同印刷の優位性の核となるのは、やはり蓄積してきた技術です。共同印刷の直接のお客さまは企業ですが、その先にユーザーがいるBtoBtoCのビジネスモデルです。ですから、当社の営業がBtoCの感覚をもってお客さまにどのような技術が求められるかを吸い上げる一方で、社会のニーズや課題から一つ先回りして技術開発を行うアウトサイドインアプローチで、「これからの社会はこのような方向に変化するので、この技術を使ってこんな商品を作りませんか」と提案する。そのような圧倒的な技術力とCを分析した一歩先を行く提案力を組み合わせた価値提供を徹底することによって、まだまだいろいろなビジネスが生まれてくると思います。投資家の方々にはそこに大いに期待し中期経営計画財務戦略事業戦略サステナビリティ価値観で、若手が出したアイディアの可能性を拡げていきたいと思っています。また、他社や異業種に留学して武者修行する機会を設けるのも良いと思います。帰ってきた人たちを通じて、自社になかった新しい価値観や経験を共有することで、新たな変革の起点になると考えています。髙岡:そうですね。私も、ビジネスコンテストは社外の人たちにも門戸を開き、オープンイノベーション・プラットフォームのような形にしていくべきだと思います。営業や技術系人材だけでなく、今後は事務など間接部門もAIやDXの進展で求められる知識とスキルが変わっていきますから、もっと社外からの刺激を受けて、自然に意欲が出て成長するというプロセスを踏んでもらいたいです。新規ビジネスの開拓だけでなく、人材育成戦略の一環としてもビジネス創出のオープンイノベーションプラットフォームが必要だと思います。ていただきたいです。内藤:共同印刷はすでに126年以上も続いていますが、これはまさに技術力の賜物だと私も思います。私が見てきた中でも、技術を持ってないメーカーはどこも長くは生き残れていません。長年培ってきた技術開発力を背景に、今後も、何か新しい、お客さまにニーズを満たせるものが作れる、そのような自信を従業員に持たせていきたいと思っています。光定:そうですね。共同印刷は終戦の年に工場が全焼しており、そこから復活を遂げてきた歴史があります。その途轍もないバイタリティは、今の時代にもDNAとして受け継がれていて、今からやったるぜという気持ちを持った人や、やり遂げる力を持った人がいます。「人」と「技術」を掛け合わせて、持続的な企業価値向上が実現できるよう、私たち社外役員一同、努力していきたいと思います。データ集ガバナンス強みである人と技術を掛け合わせ、企業価値向上を果たす
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