共同印刷グループ コーポレートレポート20245中期経営計画財務戦略事業戦略サステナビリティガバナンスデータ集験があり、お客さまの課題解決に役立つサービスを開発・提供できる人材が育っています。これらの人材を最大限に生かし、社会が必要とする新たなサービス、市場を創り出していくために投資を行い、成長に結び付けていきます。幸い、当グループのお客さまは、多岐な業界にわたり非常に優良な企業ばかりですので、良い製品、良いサービスを創造することができれば、数字はおのずとついてくると考えています。 現在は執行サイドも含めて喧々諤々と議論を行っていますが、私が最も大事にしているのは、皆に明確に行くべき目的地を示すことです。当グループの良き風土を残しながら、アグレッシブな企業に変えていく、その風土改革こそが次の中計のバックグラウンドになる重要なポイントだと思います。 2023年度は、私が議長を務めるサステナビリティ推進会議で2030年をゴールとするマテリアリティのKPIの立案・検討を行い、取締役会で審議の上、決議しました。引き続きKPIのモニタリングを行い、進□を管理していきます。人的資本や環境についての活動はかなり進□し、人的資本開示、TCFDによる開示も進めてきました。女性活躍推進は2005年と早い段階から取り組んできましたが、女性管理職への登用数は、まだまだ後れをとっているのが当社の現状ですので、各階層で登用を進め、管理職候補を育成しているところです。現在は、関連会社の社長、当社の本部長クラスに女性が着任しており、この4月には女性執行役員も就任しました。直近で議論しているテーマは人権で、人権とは何かというそもそものところに□って議論を深めています。 人材戦略は、事業ポートフォリオ改革において要となるものですので、最重要課題と捉えて取り組んでいます。社員がいかに学ぶ時間を増やすか、キャリアアップできるか、日々考えています。従来はジョブローテーションができる環境が限られており、エキスパート人材が育つ一方で、属人化が進んでいるという課題がありました。その場合、次世代経営人材の候補者選出においても、ある特定の事業領域や職種だけという限られたスキルの人材が多くなることも大きな課題でした。やはり、複数の部署への異動を経験し、引き出しを増やしてもらうことで本人のスキルも充実しますし、登用する経営層からしても、多様なスキルをもつ人を選出していけると思っています。 企業価値の源泉は人であるといわれますが、当グループの財産は設備でも資産でもなく、人なのだとつくづく実感します。50年近くこの会社で見てきたことを振り返っても、人の資質が数々の課題を解決してきたことは間違いありません。人はお金で雇うことができますが、資質というものは買うことはできません。今後も、グループ約4,000名の優れた人材が私たち経営陣とともに困難な課題を解決してくれるはずです。 ステークホルダーの皆さまにおかれましては、印刷業界の将来性に疑念を抱かれるかもしれません。しかし、当グループは大きな可能性を持った会社です。当グループには非常に優良なお客さまで構成された強固なビジネス基盤があり、そのお客さまから信頼いただける人材が□っています。人材が持つ力を引き出し、現在取り組んでいる改革の実行によってグループの力が大きく発揮されると私は確信しています。共同印刷グループのこれからに、ぜひ大きな期待をお寄せいただきたいと思います。人材の力の最大化
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