9共同印刷グループ コーポレートレポート2025長期ビジョン「NexTOMOWEL 2034」のスタート時代とともに変化してきた共同印刷のビジネスイントロダクション経営基盤ガバナンスデータ集 2025年4月に社長に就任しました大橋輝臣です。当グループは、大手出版社の印刷部門として創業して以来128年に渡る歴史の中で、印刷を核として社会に貢献してきました。私たちのオリジンは書籍の印刷から始まりましたが、幅広い業種のお客さまと信頼関係を築きながら時代に合わせた価値創出に努めて業容を拡大してきました。中でも乗車券類や交通系ICカード、ラミネートチューブ、ラップカートン、トップシール蓋材などでは高い市場シェアを獲得しています。売上構成もかつては出版印刷が主力事業でしたが、現在では、情報コミュニケーション(出版・商業印刷・電子書籍)、情報セキュリティ(データプリント・BPO・IC カード)、生活・産業資材(パッケージ・チューブ・産業資材)の主要3事業部門が1:1:1という割合に事業ポートフォリオを変化させてきました。 いずれの事業も印刷を核として発展した技術が強みとなっており、その時々の印刷という概念と限界を超えることで成長してきた会社です。一方で現在は、デジタルメディアの台頭と情報通信技術の高度化によって情報メディアの市場が大きく変化しており、ビジネススタンスを変化させていかなければ、今後の成長が見込めなくなるという危機感を感じています。これまではお客さまの要望に応えることを研究開発の基点として製品・サービスを開発し、事業を成長させてきましたが、お客さまが提示する課題以外にビジネスの目を向ける力が不足していたという反省もあります。そのため、個々のお客さまの枠を超えて社会が求めるものを先手で開発してビジネス領域を拡大する方向へシフトしています。こうしたビジネススタンスの変化は、近年の資源、資材の高騰やデジタル化の進展などによる急速な変化に対し、単に顧客への忠実を貫くだけでは、対応しきれなくなってきたことに起因します。過酷な市場環境の中で生き残っていくには、お客さまと共に成長するパートナーという考えの下、付加価値の高い技術提案を行う一方で、収益性の確保に向けて価格交渉をしっかりと行い、成長の土台を築くべきだと考えています。 現在、地政学的問題や気候変動、AI をはじめとするテクノロジーの進化など、私たちを取り巻く社会環境は刻々と変化しています。物価や賃金が上昇し、金利も上がっていく経済情勢の中で、自力で活路を見出し、成長していかなければならない時代が来たと痛感しています。不確実性が増していく中で、経営の舵取りを任された社長としての使命は、新たな価値の創造に向けて、ビジネスモデル・戦略・組織・カルチャーなどあらゆる変革に挑戦を続け、当グループを成長に導いていくことだと考えています。 前中期経営計画最終年度となった2024年度は、売上高999.7億円(前期比3.1%)、営業利益は23.3億円(前期比47.8%)と3期連続の増収増益となりました。経営計画目標の達成状況は ROE5%に対して5.3%、配当性向30%以上に対して30.4% と達成しましたが、営業利益31億円に対しては23億円と不十分な結果となりました。価格転嫁や生産効率向上への取り組みなど、利益改善は進んでいましたが、地域紛争をはじめとする地政学的な問題や、為替などの影響によるエネルギーや原材料の調達コストの高騰による収益率の低下をカバーするには至りませんでした。一方、将来の柱となる新規事業の育成については、新たな領域の拡大として、赤外線吸収材を活用した繊維向け材料やウイルスからサイズの大きい真菌にまで効果を発揮する無害な抗菌素材をはじめとする新素材分野の開拓や、「学び」に関する事業の立ち上げなど一定の成果は残すことができましたが、まだまだ不足と言わざるを得ません。今後も種を撒き続けて、次の成長の柱を育てていかなければなりません。トップメッセージ経営戦略
元のページ ../index.html#11