「モイストキャッチ®」「オキシキャッチ®」、宇宙へ! 国際宇宙ステーションの「きぼう」で行われる実験試料の梱包袋に採用

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 共同印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:藤森 康彰)が独自開発した吸湿・吸着機能材料「モイストキャッチ®」と酸素吸収フィルム「オキシキャッチ®ICA」が、国際宇宙ステーション(以下、ISS)の「きぼう」日本実験棟で行われる材料曝露実験試料の梱包袋として使われています。

モイストキャッチ®

 モイストキャッチ®は、乾燥剤を使わずにパッケージ内部を長期間低湿度に保つことができる吸湿・吸着機能材料です。一方のオキシキャッチ®ICAは、水分を使わずに酸素を吸収することができる高機能フィルムです。

 このたび、両製品のこうした特性と品質への信頼性の高さが評価され、「きぼう」船外実験プラットフォームで行われる長期曝露実験のひとつである、東京大学の宇宙実験「炭素質ナノ粒子の宇宙風化と星間有機物進化の実証研究」に用いる試料を梱包・保管する袋として採用されました。

「きぼう」船外実験プラットフォーム上のハンドレールに設置された簡易曝露実験装置[囲み部分]
出典:JAXA/NASA

 ISSは、世界15か国が協力して地上約400kmの上空に建設した有人宇宙施設で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発・運用する「きぼう」が取り付けられています。ISSでの長期曝露実験では、地上から試料を打ち上げ、「きぼう」船外実験プラットフォームで宇宙実験を行うまでの期間に柔軟に対応するため、最長で数カ月、湿気や酸素が試料に与える影響を防ぐことが求められます。そのため、モイストキャッチ®とオキシキャッチ®ICAをカスタマイズし、内容物の保護性に優れ、乾燥剤や脱酸素剤の封入が不要な、利便性の高い梱包袋を作成しました。

 この梱包袋に封入された試料は、日本時間4月15日に打ち上げられた、米国スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社の商用補給機「ドラゴン」6号機でISSへ飛び立ち、日本時間4月17日にISSへ到着しました。曝露実験は5月26日に始まり、約1年の曝露を経た後、再び梱包袋に封入されて地球へ戻る予定です。

 当社は、2004年のモイストキャッチ®開発以来、機能材成分を高い濃度で樹脂に含有させる技術を応用し、さまざまな特性をもった高機能性フィルムを開発しています。今後も、高機能フィルムのラインアップ拡充と販売拡大に注力し、生活・産業資材系事業の発展に努めます。

※ 実験対象の材料を、高真空で熱変化が大きく宇宙放射線が降り注ぐ宇宙環境に長期間さらして(曝露)受ける影響を調査し、より高機能・高性能な材料や耐宇宙環境材料の開発に役立てるために行われる実験。

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