近年、経済活動の発展に伴い、急速に進む気候変動の深刻化や天然資源の枯渇、生物多様性の喪失が地球の持続可能性を脅かしています。この状況は、環境問題の枠にとどまらず、社会にも大きな影響を与える世界共通の課題となっています。この課題を解決し、持続可能な経済社会システムを実現させるカギを握るのが、私たち企業です。企業活動における地球環境への配慮は、地球上すべての生物に対する責務であると同時に、共同印刷グループが持続的に成長するための事業機会ともなりうるものです。

当グループは「地球環境との共生」「循環型社会」をマテリアリティとして特定し、事業活動を通じた社会課題の解決を推進します。環境に配慮した原材料・エネルギーの調達、省資源な製品設計、高効率な生産により自社の事業活動による環境負荷の低減に努めるとともに、環境配慮型製品・サービスの開発と提供を通じて社会全体の環境負荷低減に取り組んでいきます。

気候変動については、脱炭素社会の実現に向けて2050年カーボンニュートラルを掲げるとともに、TCFD提言にもとづくリスク評価をもとに経営インパクトへの対応を進めているところです。
また、事業機会として重要と考えているのが、循環型社会実現への挑戦です。当グループは長年にわたり、人々の生活に密着している商品パッケージなどの分野で、機能性と環境配慮を両立した包装・容器を提供してきました。これまで培ったコア技術と包材開発力をベースに、100%再生材で100％リサイクル可能な製品を100％回収できる仕組みを実現し、資源という恵みを循環させ続けることにより、サステナブルな世界をめざします。その実現のために、基礎研究や製品開発に経営資源を投資して、イノベーションを促進するとともに、ステークホルダーとの協働を図ります。

共同印刷株式会社
取締役副社長執行役員
渡邉 秀典