水資源
基本的な考え方
人口の増加や経済活動の発展による水需要が世界的に増加する一方、気候変動による干ばつや洪水などの影響により安定した水の利用が脅かされています。
当グループでも情報系事業の主力である紙印刷事業をはじめ、水は欠かすことのできない資源です。事業活動に影響を及ぼす水リスクへの対策は、BCPの観点からも重要な取り組みと考えています。取排水による生態系へのインパクトにも配慮しながら、水資源の持続的な利用を進めていきます。
水リスクの評価
生産拠点流域における水源の枯渇や洪水などの水害の発生は、事業継続への影響が大きいことから、リスクを事前に把握し対策を講じるために、WWF Water Risk Filterによるリスク評価を定期的に行っています。
現時点での国内外の主要製造拠点の水枯渇リスクは、他の環境リスクと比較して相対的に低いと認識しています。一方、長期的には国内外のいくつかの拠点で、水ストレスの強度が上昇すると予測されています。今後もリスク評価を継続し、リスクの変動を把握するとともに、リスク低減の取り組みに努めていきます。
水資源の利用
水資源の主な利用目的は、生産設備の冷却や空調設備の熱源、厚生・衛生設備などです。水の効率的な利用や節水に配慮した共用設備の導入や、空調機器の冷却に水を使わない方法への変更など水資源の効率的な運用と削減を行っています。将来的には、生産時に水を利用しない印刷方式の模索や、水の循環利用などにも取り組んでいきます。
水使用量の推移
排水
各工場とも水質汚濁に係る規制基準に則り、適正な排水処理設備を設置し、定期的な水質監視を行うなど、放流水による環境汚染の未然防止に努めています。
また、流域への生態系への影響はWWF Water Risk Filterを利用し、定期的に評価します。現在、主要生産拠点の取水領域における生物多様性への影響は低いことが予測されると認識していますが、引き続き、生態系に配慮した水の利用を進めていきます。