PROJECT STORY 「プロジェクトストーリー」

IT開発 × 営業 × 技術
技術を追求し
市場に新たな価値を
EPISODE1
高品質まんが画像生成「eComic」シリーズ
開発プロジェクト
プロジェクトストーリー
ワアアア

PROJECT MEMBER 私たちが紹介します

  • 伊藤 貴彦
    開発・プロジェクト発起⼈ IT開発部 伊藤 貴彦 1999年入社
    ITOʼs OUTLINE
    イメージングテクノロジーについて広く学ぶ。⼊社後、DTPオペレータとして組版データ作成をはじめ、出版商業印刷の製造技術に関わる業務に従事。現在はIT関連の研究・技術開発部⾨にて機械学習に関わる研究開発を⾏う。
  • 富松 忠雄
    機械学習開発担当 IT開発部 富松 忠雄 2011年入社
    TOMIMATSUʼs OUTLINE
    学⽣時代は、理系学部にてインタラクティブメディアアートを研究。IT関連の研究・技術開発部⾨にて、機械学習を活⽤したソリューションの開発、IT技術を駆使した品質向上に取り組んでいる。
  • ⼩⼭ 誠陽
    企画営業担当 販売促進部 ⼩⼭ 誠陽 2000年入社
    KOYAMAʼs OUTLINE
    DTP知識や写真を専⾨に学ぶ。DTPをメインとする部署で製版業務に従事、他部署を経て、デジタル教科書制作、デジタルコミック⾼品質化に携わる。社内外の新しい技術に興味を持ち新サービス創出に取り組んでいる。
  • 湊 悟
    制作全体フロー担当 株式会社コスモグラフィック 湊 悟 1993年入社
    MINATOʼs OUTLINE
    情報処理を学ぶ。⼊社後はDTPをメインとする部署で製版業務に従事。その後、DTP⾃動組版分野で実務を⾏いながら、開発業務も担当。現在は、グループ会社でまんがを扱う製版部署で運⽤サポートなどを⾏う。
クロストークの様子

世の中のニーズに
耳を傾ける

まず、eComicシリーズとはどのようなものですか?

伊藤 「eComicシリーズ」とは、電⼦コミックをもっときれいに読む・⾒るために、私たちが開発した二つの画像処理システムです。一つは、eComicシリーズとして最初にリリースした「eComicScreen®(イーコミックスクリーン)」というものです。簡単にいうと、まんがを電⼦コミックにする際、画像データに⽣じるモアレ*を抑制して⾼品質な画像を⽣成するシステムです。

そこに機械学習(AI)を導⼊し、進化させたものが「eComicScreen+™(イーコミックスクリーンプラス)」。まんがのスクリーントーンなどに起きやすいモアレを効果的に抑制しつつ、⽂字や線はクリアで滑らかに再現、しかも⾼速で画像⽣成を可能にしました。 *モアレ:規則正しく分布した線や網点(写真などの濃淡を印刷物上に再現するために⽤いる⼩さな点)が重なり合ったときに⽣じる、縞やマダラの模様。

⼩⼭ これらのシステムは、新たに電⼦化するまんがに⽤いるにはよいのですが、すでに電⼦化され市場に展開している既刊コミックにとってはあまり都合がよくない。あらためて電⼦化するにはいろいろと困ることもある…という声が、お客さまからもありました。そこで、過去に低画質で電⼦化されたまんがを、超解像技術でデジタルリマスターし、同レベルのクオリティに引き上げる技術を開発しました。それが二つ⽬の、「eComicSR®(イーコミックエスアール)」です。

伊藤 これから電⼦化されるコミックはeComicScreen+™で制作し、すでに電⼦化されているコミックは、eComicSR®によって画質を上げる。それぞれの技術で、すべての電⼦コミックをもっときれいにできるというわけです。

クロストークの様子

理系が活躍できる
フィールドがある

eComicシリーズ開発に⾄った最初のきっかけは?
プロジェクトはどのように発⾜したのでしょうか?

伊藤 電⼦書籍への取り組みは、業界の中でも⽐較的早い⽅だったと思います。より⾼画質の電⼦コミックが求められる時代になる、という未来を漠然と予想していました。当時はまだガラケーの時代で、重たいデータは受け⼊れられず当然画質はあきらめざるを得なかった…。その当時の技術者も、⾼画質化は⾮常に困難なことだと考えていましたし、それが世の中の当たり前でした。そのうち技術の発展とともに、スマホや⼿軽に持ち運べるタブレットが普及してデバイスの⾼画質化が進みました。電⾞の中で、雑誌よりスマホを⾒ている⼈が増えてきた頃ですね。いよいよ、きれいな電⼦コミックを提供する機運が⾼まった、と思いました。こうしてクライアントワークではなく、私の思いが起点となりこのプロジェクトがスタートしました。かれこれ20年近く、まんがに携わっていることになりますね(笑)。

⼩⼭ 開発途中のeComicScreen®をはじめて⾒たときは、その圧倒的なクオリティに感動を覚えました。仕事の域を超えて、⼀⼈のまんがファンとして世の中の⼈に知ってほしい!と⼼動かされ、それが今も原動⼒になっています。

DTP製版現場で携わっている⽴場からも “これは⼀体どのような仕組みになっているの?”とすごく興味をかき⽴てられましたね。それまでの電⼦コミックの印象は実際のまんが作品に⽐べて⾒劣りしてしまう、という⽋点がありましたから。

富松 私は伊藤さんと同じIT開発部署で、別のチームにいたところオファーをもらい、途中からこのプロジェクトに参画したメンバーです。機械学習には興味を持っていましたし、⾃分が世の中に新しい価値を創り出すなんてワクワクします。⼆つ返事で決めました。実は就職活動で印刷会社について調べるまでは、印刷会社で理系が活躍できるフィールドはそれほどないのでは、と思っていました。しかし今回のようなプロジェクトは、ほかのIT企業に就職していたら経験できなかったことかもしれません。まんがを⽇々扱っている共同印刷だからこそ、実現できたことですよね。

オオオオ
クロストークの様子 Think 未来起点

志は同じ、
高品質を求めて

プロジェクト遂⾏中はどのような苦労がありましたか?

伊藤 eComicScreen+™は、ディープラーニングによってスクリーントーン領域を認識するのですが、理想どおりの結果になるよう構築するのにとても苦労しました。

富松 機械学習は進歩が早く、以前の開発時にはなかった⼿法やフレームワークがどんどん出てきます。「過去の開発で通じたノウハウが今回の開発では通じない」ということもあり、キャッチアップするのに必死でした。機械学習では求める結果にならない場合に何が原因かがはっきりしないことも多いので、まさに試⾏錯誤の繰り返しでした。

異なるプロフェッショナルが集まったチームですが、プロジェクト内でお互いに助けられていることはありますか?

富松 ⼩⼭さんは、開発後も常にeComicシリーズの普及を推し進めてくださっていますよね。それは開発側にとって⼤変ありがたいことです。

⼩⼭ eComicシリーズの普及は今も引き続き取り組んでいる課題です。モアレのない⾼品質の電⼦コミックの価値については、まだまだユーザーに普及していないもどかしさがあります。既存の電⼦コミックの画像クオリティが⼈々の体に馴染み、⾃然に受け⼊れられているのが現状です。⼀概には言えませんがよい画像を体感しなければ、現状の不⾜感を認識することすら稀だからです。

伊藤 まんがを創作する作家さんにとっては、コミックスの単⾏本と同様に電⼦コミックも⼤切な作品であることに変わりはありません。作家さんの表現するクリエイティビティを⽣かしたまま読者さまに提供することはとても重要なことだと思います。品質にこだわった電⼦コミックをもっと世に普及したい、そんな私の提案にみんなを巻き込んでいる状態ですね(笑)。

メンバーの気持ちは、同じ⽅向を向いていると思います。フィールドが異なっても「⾼品質なモノづくりをしたい」という志が同じ⼈がいる、そこが共同印刷のよさだと思います。

富松 各部署が連携してお互いを助け合っているので、これからもたとえ苦労があっても新しいものを開発したい!そういうモチベーションが⽣まれていきます。

ギュオオオオ
クロストークの様子

もっと世の中に
広めたい

ズバリ、皆さんの最終⽬標を教えてください!

⼩⼭ 世の中にある電⼦コミックすべてをきれいにすることです。もっと世の中に浸透させて、業界全体を活性化していきたですね。

就職活動を控える学⽣に向けてメッセージをお願いします。

富松 理系出⾝の学⽣が活躍できる場が共同印刷にはあります。若⼿やベテランなどキャリアに関係なくチャレンジさせてもらえるオープンな⾵⼟があるので、誰にでもチャンスがあると感じます。迷っている⼈はぜひ挑戦してみてください! ※取材時は、感染対策を⼗分にはかり撮影時のみマスクを外しています。

STORY LIST

  • EPISODE1
    技術を追求し
    市場に新たな価値を
    高品質まんが画像生成「eComic」シリーズ
    開発プロジェクト
    技術を追求し市場に新たな価値を
  • EPISODE2
    未来を変える
    環境配慮のモノづくり
    nippn「オーマイ 自然の恵み 全粒粉スパゲッティ 1.6㎜結束」の包装材開発プロジェクト
    未来を変える環境配慮のモノづくり