PROJECT STORY 「プロジェクトストーリー」
未来を変える
環境配慮のモノづくり
PROJECT MEMBER 私たちが紹介します
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プロジェクト発起⼈・
営業担当 包装事業部 佐々⽊ 歩 2010年入社SASAKIʼs OUTLINE経営学部経営学科で主に企業戦略論について学ぶ。包装事業部に配属。製麺メーカーの営業を担当する。現在は業種の幅を広げポリエチレンやポリプロピレンなどフィルム素材包材の営業を担当。 -
安全性を担保した
仕様設計の担当 品質保証部 ⽩川 侑季 2009年入社SHIRAKAWAʼs OUTLINE専攻は化学。化学の知識を⽣かしたく、⼊社当初からパッケージ開発技術に興味を持つ。営業職を経験し、現在は製品の仕様書作成、分析・測定・評価・考察など品質のコンサルティング業務を担当。 -
製品の品質管理を担当 守⾕第⼀⼯場 品質管理課 ⼤喜多 雅⼠ 2017年入社OOGITAʼs OUTLINE専攻は電気光学。印刷機のオペレーターとして製造ノウハウを⾝につけたのち、ドライラミネート加⼯オペレーターとして従事。現在は、⼯場にて製品品質管理・向上に関する業務を担当。
はじまりをつくる
エネルギー
紙仕様の⾷品⽤パッケージ開発に⾄ったきっかけは?
プロジェクトはどのように発⾜したのでしょうか?
白川 今回は、営業の佐々⽊さんが新規で受注した案件でしたよね。
佐々⽊ はい。新規開拓で、はじめは冷凍⾷品分野への進出を考えていたときのことです。軽包材のノウハウを⽣かし、お客さまへ多⾓的な提案をしていました。そのアクションが、アプローチしていた冷凍⾷品担当の⽅とは別の、加⼯⾷品部⾨に届いたようです。それで、環境配慮の新しいパッケージをつくってほしいというお話をいただきました。
お客さまの意向は、乾麵ロングパスタのパッケージ素材を「プラ」から「紙」へ切り替えたいという、これまでに前例のないリクエストでした。共同印刷としても新たな第1号をつくることは⾮常に意味があることなので、必ず受注につなげたいと思いました。そしてすぐに上司を説得したのです。ところがスタートから紆余曲折がありました。さまざまな懸念事項があって、なかには反対する厳しい意⾒もたくさんありました(笑)。
それでも絶対に成功させたい!という私の熱意だけは、最初から最後まで強くありました。ゴールした先の可能性は⼤きいという期待感がありましたから。ですので、品質保証部の⽩川さん、⼯場製造部⾨の⼤喜多さん、最終的に、私が新⼊社員時代の先輩で、OJTを担当いただいた⼯場⻑までを巻き込んでプロジェクトを進めていきました。
チームで協働し
探究する
品質保証部と製造⼯場ではそのお話をどのように受け⽌めましたか?
⽩川 正直なところリスクが⾼いな、と思いました。パッケージの役割とは内容物の保護が最優先です。パスタは固くて先が細い上に重量もあるため紙では⽳が開きやすい。それ以外にも考えられる問題はいろいろあって、最初は躊躇しました。
⼤喜多 印刷⼯程についても材料のプラを紙に変えるだけ、と思われがちですが、機械も違えば技術も異なります。紙刷り専⽤の印刷機がありますが、普段使っている紙と条件も違うのでトラブルも起きやすい。技術的には「どうかな?」と思っていました。
佐々⽊ ニーズはあっても実現できるかどうかは、このとき未知数でした。お客さまからは、クラフト感のあるナチュラルな雰囲気のパッケージにしたいという要望もありました。環境配慮や機能⾯はもちろん、質感やビジュアルが与える印象も含め、お客さまの要望をかなえながら実現性のある仕様をイチから探究する必要があります。⾃分一人の⼒ではどうにもならず、各部⾨の積極的な協⼒を得ることが必須、つまり⼈を動かすことが成功の鍵だと思いました。
120年の歴史を土台に
新たな実績へ
実現に向けてどのように壁を乗り越えていきましたか?
⼤喜多 製造時は予想どおり(笑)といいますか、ドライラミネートの⼯程でトラブルが発⽣してしまいました。紙はFSC認証紙(森林認証紙)*1 を、インキはバイオマスインキ*2 を採⽤していますが、トラブルが起きにくい材料の選定には苦労がありました。インキメーカー数社に掛け合い、安定して製造できる最適なインキを探っていきました。また、作業性を考慮する⼀⽅、コストも重要な課題でした。両軸を考慮し答えを出していくことは簡単ではありませんが、メンバーにアドバイスをもらいながら解決していくことができました。 *1:適切に管理された森林から伐採された材料を⽤いていることを認証した⽤紙。 *2:植物由来の資源を原料の⼀部に使⽤したインキ。
⽩川 プロトタイプを何度もつくり直して、改善案を探りました。評価⽅法もこれまでの経験上になかったものが求められましたので、レビュー⽅法も検討を重ねて構築しました。ときには考えをシフトチェンジし、さまざまなアイデアを出してクリアしていきました。
また、技術⾯では、共同印刷には120年以上の歴史で培った確かな実績が⼟台としてあります。フタ材の印刷技術があったため知⾒を⽣かし、応⽤展開できたことは私たちの強みだったと思います。
変化を恐れない
気持ち
プロジェクトを成功に導いた勝因はどんなことでしょうか?
佐々⽊ 共同印刷ならではの素早い部⾨間連携と対応⼒がありました。製造と評価の⼀連の流れがスムーズで、驚異的なスケジュールで実現できたと思います。壁にぶつかるたび全員でミーティングを開き課題を整理して…、皆さんには助けられましたね。
このプロジェクトを通して得たことは?
佐々⽊ 一つの⽬標に向かって取り組むうちに、初期のフェーズからムードが変わり、チーム⼀丸となった瞬間は成⻑を実感できました。⾃分が先導役となって⼈の⼼を動かすおもしろさを学べました。
⽩川 私は役割上、リスクを先に考えていく傾向がありますが、今回のようにハードルの⾼い案件でも、試⾏錯誤してあきらめなければ成果を上げられることがわかりました。
佐々⽊ 環境負荷を低減する製品の一つとして実績をつくれたことは誇らしく思います。当時はまだ、紙パッケージへの注⽬も今ほどありませんでした。社会の変動も柔軟に捉え、進化していける⼈であり企業でありたいと思っています。
共同印刷には⾷品の包材に限らず業界をリードする包材技術があります。これからも⽣活者を豊かにするモノづくりを拡げていきたいですね。
就職活動を控える学⽣に向けてメッセージをお願いします。
一人の⼒では到底できないこともありますが、問題が起きてもゴールに辿り着くまで前向きに捉えていく思考⼒があれば、共同印刷では実現できることがたくさんあります!変化を恐れず新しいことにチャレンジしたい、そんなハングリーな⼈をお待ちしています! ※取材時は、感染対策を⼗分にはかり撮影時のみマスクを外しています。