多目的用途帯電防止プレート「エレノット™」 を商品化

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 共同印刷株式会社(本社:東京都文京区)は、静電気を中和しホコリの付着を防止する非接触型帯電防止材料を開発し、帯電防止プレート「エレノット」として商品化しました。

帯電防止プレート「エレノット(TM)」を使用写真

【写真】帯電防止プレート「エレノット」を使用
化粧品展示用ディスプレイ(試作品)

 帯電防止プレート「エレノット」は、樹脂板の片面にのみ帯電防止処理を施すことで、処理面はもとより、非処理面を含む両面に帯電防止効果が現れます。また、使用環境の湿度に左右されにくく、後加工や洗浄による外的要因にも効果が低下することなく持続します。

 従来品の問題点を解消したこの非接触型帯電防止材料は、アクリル・PETなど様々な基材に応用できます。共同印刷では、より高い効果を持続しながら、基材 本来の性質を活かすことができ、高い美観が求められるPOP、展示ディスプレイ用品やホコリを嫌うクリーンルーム用部材等に最適な板材として、帯電防止プ レート「エレノット」を広くPRし提案してまいります。

【開発の背景】

 静電気によるゴミ、ホコリ等の付着、あるいは静電気障害に対する従来の帯電防止技術としては「表面塗布型」と「練りこみ型」があります。

 前者には、(1)塗った面にしか効果がない (2)表面は別の素材になってしまうため、基材特有の性質を活かせない (3)表面の洗浄や切削、摩耗等により効果がなくなる といった問題があり、後者では、(1)基材に練りこむため、材料が限定される (2)界面活性剤では乾燥時の効果低下、ブリードアウト発生、値段が高価などが問題としてあげられます。

【帯電防止プレート「エレノット」の概要と特長】

 当社が開発した帯電防止プレート「エレノット」は、片面に帯電防止処理を施すだけで、両面とさらにその周辺領域にも帯電防止効果が現れる「非接触型」です。非処理面は基材そのものなので、耐磨耗性、接着性、光沢等の基材特性をそのまま活かすことが出来ます。非処理面に切削加工等を行っても効果が消滅することがありません(印刷技術を応用しているため、様々な基材を選択することができます)。

当社開発帯電防止プレート
「エレノット
従来品「表面塗布型」 従来品「練りこみ型」
  • 片面処理だけで両面に効果
  • 様々な基材にOK
問題点
  • 塗った面にしか効果がない
  • 基材表面の質感を活かせない
  • 表面拭くと剥がれる可能性あり
問題点
  • 基材に練りこむため材料が限定
  • 乾燥時に効果低下
  • 着色(カーボンブラック等)

【特長】

  1. 非接触型:帯電防止処理をした反対面にも効果がある
  2. 基材:様々な材質(アクリル、PET、塩ビなど)や色(各種カラー、エッジライト、ミラーなど)、機能(UVカット、耐衝撃性など)を持った基材を使用可能
  3. 低湿度下でも効果持続:静電気の起こりやすい低湿度環境でも効果を発揮
  4. 後加工が可能:「曲げ」「切断」の加工作業を施しても効果は変わらない
  5. 外的弊害に強い:摩擦、洗浄などの弊害にも強く、効果は長期間持続。
  6. 清掃の手間を削減:静電気によるホコリの付着を防ぐ
  7. 商品の美観を高める:素材の質感と光沢をそのまま活かすことが可能

【性能】

  1. 高い帯電防止機能を有する
  2. 冬季の乾燥状態でも効果を発揮
    • 試験条件
      サンプルに+5000V、10秒印加後、10%(500V)まで減衰する時間をスタティックディケイメーターにより測定。
      サンプル: 練り込み型帯電防止アクリル
      帯電防止プレート「エレノット」(アクリル片面印刷品)
    • 結果
      「エレノット」加工面および基材面(非処理面)では帯電してから0.1秒以内に減衰、湿度の影響なし。
      従来品は湿度の低下にしたがって減衰時間が長くなり、湿度依存性が見られた。

【用途】

 用途としては、展示ディスプレイ用品を主眼に、各種メーカーへ利用を働きかけていきます。

 また今後は帯電防止技術を施した板材の透明度をアップさせ、電化製品、モニターの表面スクリーン、照明カバー、精密機器カバー、各種ケース類クリーンルーム内などへの展開も考え、などさまざまな条件、分野での帯電防止材料としての用途を拡げる開発を進めてまいります。

【売上目標】

 初年度 5億円、3年後に20億円を目指します。

以上

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