画像処理システム「eComicScreen™」を開発、モアレを軽減し より高品質なまんが電子書籍を作成

  • 研究開発
  • 製品・サービス

 共同印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:藤森康彰)は、電子書籍の高画質化に対応し、モアレを抑制したまんが電子書籍の画像が生成できる画像処理システム「eComicScreen™(イーコミック スクリーン)」を開発しました。eComicScreen™の利用により、文字や画線はシャープなまま、スクリーントーンによるモアレを抑制した、より高品質なまんが電子書籍の作成が可能になります。

 モアレは、規則正しく分布した線や網点※1が重なり合ったときに生じる、縞やマダラの模様です。まんが画像にはスクリーントーンと呼ばれる規則正しく並んだ網点が使用されるため、画像のリサイズ処理やモニター表示を行う際に、モアレが生じることがあります。

 これまで、電子書籍化の対象となるまんが画像は天地サイズ1200ピクセル※2程度の小さなものが多く、印刷用のデータをデジタル用に縮小する際にスクリーントーンの網点がつぶれてモアレが軽減されていました。しかし、デジタルデバイスの高画質化を受けてまんが電子書籍も高画質化が進み、納品サイズが天地1600ピクセル以上になるケースが増えています。そのため、従来の画像処理ではスクリーントーンの網点が残り、モアレが目立つようになっていました。

 このたび開発した「eComicScreen™」は、印刷用の高解像度データを電子書籍に適した画像サイズに変換する、新しい画像処理システムです。変換処理の際、画像を解析してスクリーントーン領域を抽出し、対象部分にのみモアレ軽減処理を施します。そのため、文字や画線はシャープなまま、スクリーントーンのモアレが抑制されたまんが電子書籍が作成できます。

 当社は、従来の画像処理ではモアレ軽減が難しい高解像度の画像データ処理に効果的な「eComicScreen™」を、出版社などに向けて提案します。より高品質なまんが電子書籍の提供により、紙媒体から電子媒体までの受注拡大に努め、3年後(2019年度)に売上10億円をめざします。

  • 1 網点(あみてん):写真やイラストなどの濃淡を印刷物上に再現するために用いる小さな点
  • 2 ピクセル:デジタルで画像を構成する際の最小単位。正方形のピクセルを規則正しく縦横に並べることで一枚の画像が表現される

【従来の画像処理(左)と eComicScreen™で処理した画像(右)】 ※元画像にモアレがある場合は軽減できません

eComicScreen_after.png
eComicScreen_before.png

お問い合わせ先

取材窓口:コーポレートコミュニケーション部
Tel 03-3817-2525

営業窓口:出版情報事業部 営業推進部
Tel 03-3817-2173

当社は、ウェブサイト・アプリケーションの提供に際して、第三者が提供するサービスを利用しており、当該第三者にウェブサイト・アプリケーション利用者のパーソナルデータを送信しています。 詳細はこちらをご覧ください。