生物多様性
基本的な考え方
私たちの暮らしや経済活動は、森林、水、大気、土壌、生物資源などの自然資本と、それらがもたらす生態系サービスに支えられています。一方で、資源の過剰利用や気候変動、汚染、土地利用の変化などにより、生物多様性の損失が進行しており、企業には自然との関係を踏まえた事業活動が求められています。
共同印刷グループは、印刷・包装をはじめとする事業活動において、用紙・紙基材の原料となる森林資源や、製造工程で使用する水資源など、自然資本に依存していることを認識しています。その認識のもと、生物多様性の保全を環境ビジョン2050における重要テーマの一つとして位置づけ、森林資源の持続的な利用や水資源への負荷低減などに関する環境中長期目標を設定しています。これらの目標の達成に向けて、原材料の調達から製造、使用後の廃棄・再資源化に至るまでのサプライチェーン全体で、生物多様性への影響の低減と自然環境の保全に配慮した取り組みを進めています。
生物多様性関連リスクの把握
当グループは、生産拠点周辺における生物多様性関連リスクおよび水リスクを把握するため、WWF Biodiversity Risk Filterを用いた一次評価を実施しています。評価では、物理リスク、規制リスク、評判リスクの観点から拠点ごとのリスクを確認しました。今後は、評価結果を踏まえて対象拠点やリスク項目の確認を継続し、生物多様性の保全に向けた取り組みの検討に活用していきます。
評価結果のスコア範囲は以下のとおりです。
| リスク区分 | スコア範囲 |
|---|---|
| 物理リスク | 3.58~5.00 |
| 規制リスク | 2.75~3.50 |
| 評判リスク | 3.53~4.58 |
※本評価は、所在地情報などに基づくスクリーニング評価であり、対象拠点における潜在的なリスクを示すものです。実際の影響や依存関係の詳細評価を示すものではありません。
森林資源の持続的な利用
紙の原料となる森林資源は、当グループの事業活動を支える重要な自然資本の一つです。森林は、生物多様性の保全に加え、CO₂の吸収・固定、水源涵養、土壌保全など、さまざまな生態系サービスをもたらしています。一方で、世界的には森林減少が進行しており、その要因の一つとして違法伐採が指摘されています。
当グループは、森林資源を持続的に利用していくため、2030年度までに原材料木材の合法性が確認された用紙の調達率を100%とする目標を掲げています。印刷用紙の調達にあたっては、サプライヤーに対して合法伐採木材の使用証明の提出を求めるなど、違法伐採排除に向けた取り組みを進めています。2025年度は、購入金額ベースで90.4%の用紙について、原材料木材の合法性を確認しました。今後も、確認対象の拡大や認証紙の活用を進め、適切に管理された森林資源の利用に取り組んでいきます。
自然環境保全活動への支援
共同印刷グループは、自然環境への理解促進や保全活動への支援を通じて、生物多様性に対する意識の醸成に取り組んでいます。「多くの子どもたちが自然に触れ、感性を育むことで豊かな社会にしていきたい」という趣旨に賛同し、群馬県の赤城山麓に広がる「赤城自然園」に協賛しています。森林セラピー体験など、自然と触れ合う機会の提供を通じて、次世代を担う子どもたちの環境への関心や理解の醸成につなげています。
また、公益財団法人日本自然保護協会への寄付を通じて自然環境の保全活動を支援しており、同協会の企画・監修のもと、三浦海岸で海岸清掃活動を実施しています。これらの活動を通じて、自然環境への理解促進と地域環境の保全に取り組んでいます。