責任ある調達
基本的な考え方
近年、気候変動をはじめとする環境問題や人権問題など、社会課題が複雑化しています。当グループは、サプライヤーの皆さまと社会課題に適切に対応するとともに、共創により、社会課題の解決に寄与する製品・サービスを世の中に提供することで、互いの持続的な成長と企業価値向上につなげたいと考えています。
共同印刷グループ 調達基本方針
2013年1月31日制定
2023年10月1日改定
共同印刷グループ 調達基本方針
私たちは、社会的責任に配慮した調達を行うことで、サプライヤーの皆さまと共に持続可能な社会の実現に貢献するとともに、サプライチェーン全体の相互発展をめざします。
1. 公正で自由な競争
企業倫理と高い遵法精神のもと、公正かつ自由な競争による調達を行います。
・国籍、企業規模、取引実績の有無等を問わず、すべての企業に公平な参入機会を提供します。
・すべてのサプライヤーの皆さまと対等の立場で取り引きします。万一、不公正な取り引きが発生した際は、その救済に努めるとともに、不利益な取り扱いはしません。
・お取引先の選定は、QCD(品質・価格・納期)の視点に加えて、供給責任・情報保護・製品安全などのリスク管理、環境保全、人権尊重、企業倫理の遵守などを総合的かつ合理的に評価し、公正に行います。
2. 責任ある調達
社会的責任に配慮した調達を行うことで、サプライヤーの皆さまと共に持続可能な調達活動に取り組みます。
3. パートナーシップ
サプライヤーの皆さまと相互理解の深化と信頼関係の構築に努めるとともに、オープンイノベーションの推進により、サプライチェーン全体での付加価値向上をめざします。
共同印刷グループ サステナブル調達基準
2011年3月1日制定
2024年4月1日改定
共同印刷グループ サステナブル調達基準
共同印刷グループは、サプライヤーの皆さまと社会的責任に配慮した調達を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、サプライチェーン全体の相互発展をめざしています。そのためにサプライヤーの皆さまに遵守いただく基本事項として、以下の「サステナブル調達基準」を定めます。
当グループは、本基準に則り、お取引先の選定は、QCD(品質・価格・納期)の視点に加えて、供給責任・情報保護・製品安全などのリスク管理、環境保全、人権尊重、企業倫理の遵守などを総合的かつ合理的に評価し、公正に行います。
1. 国際規範・法令遵守の尊重
- 1-1.国際規範・法令遵守の尊重
- 国際行動規範を尊重するとともに、自国、事業を行う国、地域の適用法令等を遵守する。
2. 人権・労働
- 2-1.強制労働の禁止
- 強制、拘束、非人道的な囚人労働、奴隷制または人身売買によって得られた労働力を用いず、離職の自由を制限しない。
- 2-2.児童労働の禁止、若年従業員への配慮
- 15歳未満の児童に労働をさせない。また、18歳未満の若年従業員を夜勤や残業など、健康や安全が損なわれる可能性のある危険業務に従事させない。
- 2-3.適切な労働時間管理
- 従業員の働く国、地域において法令上定められている限度を超えて労働させてはならず、国際的な基準を考慮の上、従業員の労働時間・休日を適切に管理する。
- 2-4.適切な賃金と手当
- 適用のあるすべての法令を遵守し、従業員に報酬(最低賃金、残業代、および法的に義務付けられた手当や賃金控除を含む)を支払う。
- 2-5.非人道的な扱いの禁止
- 従業員の人権を尊重し、精神的・肉体的な虐待、強制、ハラスメントなどの非人道的扱いおよびその可能性のある行為を行わない。
- 2-6.差別の禁止
- 人種、民族、国籍、宗教、性別、年齢、身体的特徴、障がいの有無、配偶者の有無、性的指向、性自認などによる差別を行わない。
- 2-7.結社の自由、団体交渉権
- 法令を遵守の上、労働環境や賃金水準などの労使間協議を実現する手段としての従業員の団結権を尊重する。
- 2-8.先住民族の権利侵害の禁止
- 先住民族の人々に対して、不法な立ち退き要求や生活環境の破壊等の権利侵害を行わない。
3.安全衛生
- 3-1.労働安全衛生の確保
- 職務上の安全に対するリスクを特定・評価し、適切な設計や技術・管理手段をもって安全を確保する。
- 3-2.緊急時への備え
- 人命・身体の安全を損なう災害・事故などの緊急事態に備え、発生の可能性も含めて特定し、従業員および資産の被害が最小限となる行動手順の作成、必要な設備などの設置、災害時にとるべき行動について教育・訓練を行う。
- 3-3.労働災害・業務上疾病
- 労働災害および業務上疾病の状況を特定・評価・記録・報告し、適切な対策および是正措置を講じる。
- 3-4.職場環境
- 職場において、有害な化学物質や騒音、悪臭などの物理的刺激に従業員が曝露するリスクを特定・評価し、適切な管理を行う。
- 3-5.身体的負荷のかかる作業への配慮
- 身体的に負荷のかかる作業を特定・評価の上、労働災害・業務上疾病につながらないよう適切に管理する。
- 3-6.機械装置の安全対策
- 従業員が業務上使用する機械装置について安全上のリスクがないか評価し、適切な安全対策を実施する。
- 3-7.施設の安全衛生
- 従業員の生活のために提供される施設(寮・食堂・トイレなど)の安全衛生を確保する。
- 3-8.安全衛生のコミュニケーション
- 従業員が被る可能性のある職務上のさまざまな危険について、適切な安全衛生の教育・訓練を従業員が理解できる言葉・方法で提供する。
- 3-9.従業員の健康管理
- すべての従業員に対し、適切な健康管理を行う。
4. 環境
- 4-1.環境許可と報告
- 法令に従い、事業に必要な許認可・承認を取得し、登録・報告を行う。
- 4-2.脱炭素社会への貢献
- エネルギーの効率化に努め、エネルギー消費量および温室効果ガス排出量の継続的削減に取り組み、カーボンニュートラルの実現に努める。
- 4-3.大気への排出
- 法令を遵守し、有害な物質の大気への排出を削減するための適切な対策を実施する。
- 4-4.水資源の有効利用
- 法令を遵守し、使用する水の水源、使用、排出をモニタリングするとともに、節水する。廃水は、排出または廃棄する前に、必要に応じて特性を示し、監視、制御、処理を実施する。また、水汚染を発生させる可能性のある汚染源を特定し、適切な管理を行う。
- 4-5.循環型社会への貢献
- 法令を遵守し、適切な管理を行うことにより、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)を推進し、資源の有効活用を図り、廃棄物の発生を最低限に抑える。
- 4-6.化学物質管理
- 人体や環境に対して危険をもたらす化学物質およびその他の物質は、法令を遵守するとともに、当グループの定めるグリーン調達ガイドラインに従い特定、表示、および管理を行い、安全な取り扱い、移動、保存、使用、リサイクルまたは再利用、および廃棄が確実に実施されるよう管理する。
- 4-7.製品含有化学物質の管理
- 製品に含まれる特定の物質の使用禁止または制限に関するすべての法令、当グループの定めるグリーン調達ガイドラインおよび顧客要求を遵守する。
- 4-8.天然資源と生物多様性
- 生物多様性に及ぼす影響を回避・最小化し、天然資源の持続的な利用に取り組む。また、印刷・加工用紙は、合法性が証明された木材を原料とした用紙を優先的に調達する。
5. 公正取引・倫理
- 5-1.腐敗防止
- あらゆる種類の贈収賄、腐敗、恐喝、および横領などを行わない。
- 5-2.不適切な利益供与および受領の禁止
- 賄賂その他の不当または不適切な利益を得る手段としての約束、申し出、許可を提供または容認しない。
- 5-3.適切な情報開示
- 適用される法令と業界の慣例に従って、労働、安全衛生、環境活動、事業活動、組織構造、財務状況、業績に関する情報を開示する。
- 5-4.知的財産の保護・尊重
- 自社の知的財産の保護に努めるとともに、顧客、サプライヤー、業務委託先などを含む他者の知的財産についても自社同等に尊重し、侵害しない。
- 5-5.公正な事業活動
- 自由な競争を阻害する行為や不正な競争行為、内容の誤認や権利侵害などを伴う広告宣伝などを行わず、公正な事業活動を推進する。また、優越的地位を利用して、取引先に不利益を与える行為を行わない。
- 5-6.反社会的勢力の排除
- 健全な社会の秩序や安全に脅威を与える勢力(反社会勢力等)とは一切の関係を遮断する。
- 5-7.適切な輸出入管理
- 法令等で規制される技術や物品の輸出入に関して、管理体制を整備して適切な輸出入手続きを行う。
- 5-8.インサイダー取引の禁止
- 関係者しか知りえない、一般に公開していない情報(重要事実)をもとに、重要情報の影響を受ける自社株あるいは取引先その他の第三者の株式の売買を行わない。
- 5-9.責任ある鉱物調達
- 製造している製品に含まれるタンタル、錫、タングステン、および金などの鉱物が、紛争地域および高リスク地域で深刻な人権侵害、環境破壊、汚職、紛争などを引き起こす、またはそれらに加担することがないよう適切な管理を行う。
6. 製品の品質・安全性
- 6-1.製品の安全性の確保
- 製品が各国の法令などで定める安全基準を満たし、十分な製品安全性を確保できる設計・製造・販売を行う。
- 6-2.品質管理
- 製品・サービスの品質に関して適用される、すべての法令を遵守するのみならず、自らの品質基準、顧客要求事項を遵守する。
- 6-3.正確な製品・サービス情報の提供
- 製品・サービスに関する、正確で誤解を与えない情報を提供する。
7. 情報セキュリティ
- 7-1.コンピュータ・ネットワーク脅威に対する防御
- サイバー攻撃などからの脅威に対する防御策を講じて、自社および他者に被害が生じないように管理する。
- 7-2.個人情報の保護
- サプライヤー、顧客、消費者、従業員などすべての個人情報について、関連する法令を遵守し、適切に管理・保護する。
- 7-3.秘密情報の漏洩防止
- 自社の秘密情報に加えて、顧客や第三者から受領した秘密情報を、適切に管理・保護する。
8. 事業継続計画
- 8-1.事業継続計画の策定と準備
- 事業継続を阻害するリスクを特定・評価し、事業への影響の精査と中長期的に必要な事前対策、その取り組み状況をまとめた事業継続計画(BCP)を策定する。
9. 管理体制の構築
- 9-1.マネジメントシステムの構築
- 本基準の遵守を確実なものとするために、マネジメントシステムの構築に努める。また、適切な運用を通じ継続的な改善に努める。
- 9-2.サプライヤーの管理
- 本基準または自社が持つ同様のガイドラインの要求事項をサプライヤーに伝達する。また、サプライヤーにおける当該要求事項の遵守を監視するプロセスの構築に努める。
- 9-3.苦情処理メカニズムの整備と通報者の保護
- 自社およびサプライチェーンにおける本基準への違反を防止するため、従業員やサプライヤーなどを含むすべてのステークホルダーが利用可能な苦情処理メカニズムを構築し、周知する。苦情処理に際しては、通報に係る情報の機密性および通報者の匿名性を保護し、通報者が不利益を被らない措置をとる。
推進体制
責任ある調達の取り組み推進は、代表取締役社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」の下部に設置されている、「サプライチェーン分科会」が主管しています。分科会長は取締役常務執行役員が務め、グループ全体の取り組みを、組織横断で推進する体制を構築しています。
サプライヤー調査の実施
主要サプライヤー(海外グループ会社含む)に対し、CSRの取り組み状況を調査しています。調査結果は即時にフィードバックし、自社の取り組み進捗状況の把握と改善に協力いただいています。また、当社基準に達しない場合は、訪問による指導を行い、品質の保証を行っています。
主な取り組み指針
- 人権・労働慣行
人権方針や安全衛生方針に沿った、人権の侵害防止および非加担や安全・健康な職場環境への取り組みの実践 - 環境
環境方針に沿った、社会と地球環境との共生に向けた取り組みの実践 - 消費者安全
品質方針、情報セキュリティ基本方針、個人情報保護方針に沿った、消費者や顧客に向けた安心・安全な製品・サービスへの取り組みの実践 - BCP
BCP基本方針に沿った、不測の事態に対する予防と対処を通じた、供給責任を果たす取り組みの実践 - コンプライアンス
企業倫理綱領に沿った、企業倫理の推進へ向けた取り組みの実践
グリーン調達
地球環境負荷低減や化学物質に関する製品安全を推進するために、「グリーン調達ガイドライン」を定め、グリーン調達を推進しています。
各取引先には取引契約時に当グループの環境方針に対する理解と協力を求め、サプライチェーン全体で、環境負荷の低減に取り組んでいます。
森林資源の持続的な利用
紙を扱う印刷事業において、紙の原料となる森林資源の合法かつ安定的な供給は事業継続に不可欠です。森林資源の持続的な利用に向けて、森林減少の主要な原因となっている違法伐採による非合法木材の利用に加担しないよう、印刷用紙の調達にあたっては、サプライヤーに対して合法伐採木材の使用証明の提出を求めるなどの活動を進めています。2023年度は、購入金額ベースで76.2%の用紙について原材料木材の合法性を確認しました。
公正で透明な取り引きに向けて
「グループ倫理綱領」では、取引先などに対して、自由な競争原理により適正な条件で取り引きを行い、優越的地位の乱用など不公正な取り引きは行わないと定めています。また、調達基本方針や取引に関する規定でも、相互利益尊重の理念に基づいた、公正かつ自由な競争の確保が基本ルールであるとしており、取引先とのより一層の信頼関係の構築に努めています。
サプライヤーヘルプラインの設置
サプライヤーとの透明性ある公平な取り引きのために、通報窓口「サプライヤーヘルプライン(倫理相談室)」を設置しています。法令違反や調達基本方針からの逸脱行為などがある場合にお知らせいただき、問題の解決を図ります。
下請法遵守の推進
下請法の遵守はサプライヤーとの取り引きにおける基本となるものです。「下請法遵守に関する規程」を設けるとともに、理解を深めるために、管理・監督者教育をはじめ、購買部門、営業部門、開発部門を対象とした教育や、講習会への派遣を行い、意識向上を図っています。
パートナーシップ構築宣言
取引先や価値創造を図る事業者との、公正かつ健全な取り引きを推進し、その意思を明確に示すために、「パートナーシップ構築宣言」を宣言しています。

お取引先の皆さまとの適切な価格交渉・価格転嫁に向けて
2023年11月に公正取引委員会より公表の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」および、2024年3月の下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の改正を踏まえて、労務費の適切な価格交渉・価格転嫁に真摯に取り組むことで、適正な取引の強化を一層努めてまいります。
当グループとの取引において、労務費等のコスト上昇が適切に価格に反映されていない、価格交渉の申し出をしたにも関わらず、協議の場が設けられないなど、価格交渉・価格転嫁に関してご要望ご相談がございましたら、サプライヤーヘルプライン(倫理相談室)までご連絡ください。