共同印刷グループは経営理念に基づいた「環境方針」を制定し、事業活動における環境負荷の低減や生物多様性への配慮に取り組み、その実効性を高めるため、目標を制定して活動を推進しています。
社員一人ひとりが環境意識を高めるとともに、果たすべき役割について認識を新たにすることで、持続可能な社会の構築に向けて主体的に行動する企業となることをめざします。
グループ企業行動憲章でめざす「製品のライフサイクルを通じて、自然環境や生活環境の保全・向上に努め、持続可能な社会の構築に向けて主体的に行動する」の実現に向け「共同印刷グループ環境方針」を基本指針として事業活動に組み込み、グループ全体で環境経営を推進しています。
地球温暖化問題では、パリ協定やIPCCの1.5℃特別報告、環境省のTCFD賛同、循環型社会形成ではプラスチック製品のサーキュラ・エコノミーへの潮流など環境への新たな枠組みが始まっています。これらの環境イニシアチブに加え、自社の事業活動が環境に与える影響や第四次環境中期計画の結果などを踏まえ、機会とリスクの面から多角的に検討を行い、2021年に第五次環境中期計画「環境ビジョン2025」を制定しました。「低炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「化学物質管理」を重要項目と特定し、製品ライフサイクルを通じて、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に向けて、事業活動における環境負荷への取り組みを推進していきます。
2005年11月8日制定
2013年6月27日改定
基本理念
共同印刷グループは、印刷が暮らしに深く係わっているなかで、環境負荷低減活動の果たす役割の大きさを認識し、生物多様性の保全と持続可能な社会づくりへ貢献するため、すべての企業活動において積極的に行動します。
基本方針
共同印刷株式会社
代表取締役社長
★:目標達成に一段の改善が必要 ☆:目標達成に向け順調に推移 ☆☆:目標をすでに達成したもの
目的 (取り組み概要) |
目標 (2020年度まで) |
2020年度実績 | |
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地球温暖化防止(CO2削減) | CO2排出量原単位(売上高) 2014年度比10%改善 |
2014年度比18%改善となり達成 | ☆☆ |
電力使用量削減 | 電力使用量原単位(売上高) 毎年1%改善 |
前年度比8.8%悪化となり未達成 | ★ |
廃棄物削減とリサイクルの推進 | 原材料投入量原単位 2005年度比10%改善 |
2005年度比7%改善したが目標に至らず | ★ |
再資源化率99.7% | 再資源化率99.7%となり、順調に推移 | ☆ | |
環境汚染の予防 | PRTR指定化学物質排出量 2010年度比50%削減 |
2010年度比72.0%削減となり達成 | ☆☆ |
VOC規制物質排出量 2010年度比40%削減 |
2010年度比67.3%削減となり達成 | ☆☆ | |
汚染物質管理強化 | グループ全体の電気機器について低濃度PCB含有調査を実施 | ☆ | |
得意先、協力会社への支援実施 | 協力会社へアンケート調査をもとに改善協力を依頼 | ☆ | |
グリーン製品の拡大・開発 | 毎年の開発件数 2015年度比100%以上 |
2015年度比114.3%となり達成 | ☆ |
開発件数に占める 生活・産業資材系の割合30%以上 |
占有率50.0%となり達成 | ☆☆ | |
グリーン調達の推進 | グリーン購入率(インキ) 毎年前年度比3%増加 |
2019年度比0.5%増と改善したが目標に至らず | ★ |
グリーン購入率(用紙) 毎年前年度比1%増加 |
2019年度比0.6%減となり未達成 | ★ | |
社会コミュニケーションの推進 | 社会コミュニケーション手段の充実 | 新型コロナウイルス感染拡大防止のため実施せず | ★ |
社員の環境意識の高揚 | 社員一人ひとりのニーズに対応した教育訓練の充実 | ISO14001内部監査員の養成を社内で実施(19名修了) | ☆ |
2016年度より5カ年にわたって取り組んできた第4次環境中期目標「環境ビジョン2020」を終えました。最も注力したCO2排出量の削減では、ガス使用設備の縮小に加え、高効率型空調設備への更新や太陽光パネルの増設など積極的な環境投資を行った結果、大幅に改善することができました。しかし電力消費量原単位についてはコロナ禍による売上高の落ち込みにより、最終的に目標は未達となりました。
廃棄物削減とリサイクルの推進では、再資源化率においてグループ全体で目標を達成し、12年連続のゼロエミッションを実現しています。一方、廃棄物総量は削減したものの、原単位では目標に届きませんでした。
環境汚染の予防では、すべての項目で目標を達成しました。特に注力したVOCの排出量削減は、印刷方法や有機性の低い溶剤への代替等を進め、大きく改善を果たしています。
グリーン製品の拡大・開発は、目標を達成しましたが、グリーン調達においては改善したものの、目標は未達となりました。
これらの第4次環境中期目標「環境ビジョン2020」の結果に加え、最新の環境イニシアチブなどの外部環境の変化や、自社の事業活動が環境に与える影響などを踏まえ、第5次環境中期目標「環境ビジョン2025」を新たに制定しました。今後は、製品ライフサイクルを通じて、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に向けて、事業活動における環境負荷への取り組みを推進していきます。
大気汚染削減
VOC排出量
2019年度比
7%削減
環境配慮製品
売上高
2019年度比
200%
環境経営をグループ全体で推進していくために、ISO14001:2015に基づいた環境マネジメントシステムを運用しています。主要グループ会社を含む各拠点を統合して認証を取得し、グループ全体で環境への取り組みを推進しています。
「グループ環境方針」に基づき、担当執行役員を委員長とする「グループ環境委員会」を環境経営の中核機関として設置し、グループの環境方針や環境ビジョンの策定および全社的な活動施策立案を行っています。専門的な環境テーマについては専門部会を通じて推進しています。活動はモニタリングによる継続的な改善を行い、マネジメントレビューにより毎年見直しを行っています。
各事業所やグループ会社では、個別の環境委員会を開催し、より実践的な環境活動を行っています。
また、取引先にも環境方針の理解と実践を要請するとともに、化学物質については適宜アンケートを実施するなど環境側面の特定を行っています。
EMS体制図
環境内部監査員による各事業所の監査と、各事業所の活動を指揮して取りまとめを行う事務局に対する監査を行っています。また第三者認証機関による更新審査を受審し、ISO14001の認証を維持しています。いずれの監査においても、指摘事項は速やかに是正処置を行っています。
地球環境保全の大切さを認識し、事業を通じて省エネ・廃棄物削減などの環境負荷低減や環境保全に寄与することを目的に、全グループの役員と従業員に対して環境教育を行っています。また、環境内部監査員の有資格者に毎年フォローアップ研修を実施し、監査の力量を維持しています。
環境法規制や環境リスク評価、定期監視によるリスク発見などの環境リスクマネジメントを推進しています。
設備などのハード面と作業標準に基づく運用面などのソフト面の両輪でリスク低減に努め、万が一の環境事故に備えた定期的な緊急対応訓練も実施しています。重大な環境事故や災害による環境クライシス発生の際は、危機管理委員会を中心に対処する体制を整えています。
2020年度は環境関連法規制違反は0件でした。また、グループ会社での苦情は4件で、内訳は、騒音が2件、排気が1件、敷地内樹木の落葉による指摘が1件ありました。
いずれも、事実確認の上、速やかに対処、是正しました。